「医者選ぴにコツはあるか」

 現在の保険診療制度は社会に大きな恩恵を施した反面、また少なからぬマイナス面も伴いました。

つまり、数でいえばごく少数なのですが、この制度のおかげで質の悪い医者がりっばにやっていける、いやむしろ栄えてしまう傾向のあることです。

この制度のおかげと書きましたが、御存知のようにこの制度は、技術に対する評価はきわめて軽く、何か注射をした、クスリを出した、あるいはレントゲンをとった、検査をした、ということで収入になるのですから、一口にいって技術の低い、つまりウデの悪い医者にはもってこいのありがたい制度です。

 しかも患者さんのほうで注射をしてほしい、クスリをのみたいとなれば、ますますもって結構なことです。

くり返していいますが、このような医者はごく一部なのです。

しかしよく繁昌する・・・・・・。つい患者さんの知識程度を疑ってみたくもなります。

あるいはこういうことで、長い間、ニセ医者と知らずにかかっていた、というような事態も生まれるのかもしれません。

ところがです。われわれの医者の側からみると、はがゆくて仕方ないこのようなことも、ー般の方にはたいへん難しいことだということに気づきました。

それは、私がひとりでいい調子になってこのような話をしていましたら、ある方から「われわれは心からよい先生にかかりたい。しかしその良い悪いを知る方法がない。どのようにしたらよいのか、良医か悪医か見分ける方法を教えてほしい」と質間され、いざ答えるとなるとなかなか容易でなく、たいへん苦労したからです。

おかしな治療に対してわわれわれなら、変だな、と直観的に思いますが、それを素人の方に求めるのは無理なようです。

 最近は家庭医学の本や雑誌などで、医学評論家の先生方がやはりこの間題を扱い医者のかかり方、選び方というような題で、いろいろ心得を述ぺておられます。

それぞれによく言いつくして、うまく書けていると思いますが実際にはなかなか難しいことです。

私に何がいえるか、前記の質間に難渋し、そして考え出した答えに、後からまた補足して一応まとまった考えは次のようなものです。