Bisphosphonate Research

 新薬については第14分科会:Bisphosphonate Research:Results and Possibilities (新薬研究:結果と可能性)と題して講演がありました。

 講演者はカナダ モントリオールにあるシュライナーズ子ども病院のFrancis Glorieux, M.D., Ph.D.とその研究・臨床チームのメンバーによって行われました。

小児科医のDr. Glorieuxをリーダーとして小児科医、整形外科医、PT、OT、ソーシャルワーカーを含む7名がチームとなって、この分野の研究および臨床治療を実施している。

Bisphosphonate(ビスフォスフォネート)治療の過去5年間の経過説明とともに、その結果これを現在1つの確立された治療法として医学雑誌98年秋発行のNew England Medical Journalに掲載予定であること。

また、この治療を北米全域のシュライナーズ子ども病院において数ヶ月以内に開始するよう準備していること等の説明がありました。

ビスフォスフォネートが骨に対しどのように科学的働きをし、そしてそれが骨の形成の正常化につながることによって骨密度や強度を引き上げていくか。そのことによってOI患者が抱えている諸症状を改善に向けていくことが可能であること。スイスの製薬会社であるCiba-Geigy社が生産しているビスフォスフォネート剤を(OIに治療効果が期待される薬品として)治療に使っていること。

投薬周期は1回が5〜6ヶ月を1サイクルとしている。その際数日間の入院をし必要な諸検査を行いながら治療法を決定している。

過去の治療例30人を対象とした結果として:

 肯定的な変化は:  効果がみられるタイプ : タイプIII、IV、V

           年間平均骨折率    : 2.5→0.8へ低下

           疼痛         : 減少

           皮質の濃厚      : 増

           骨密度        : 増

           脊柱の矯正      : 好転

           身体の稼動性     : 好転

しかし、第1回目の治療期間内に少数ではあるが、発熱などの副作用とみられる症状がでたが、一般の解熱剤の投与で解消し、ビスフォスフォネーの投与は対象者全員が続行できたこと。多くの患者には服用開始7〜8週間後くらいから、それまで自力で座ることが出来なかった患者がひとりで座れるようになったり、頻繁に背中の痛みを訴えていたものが軽減している。

以上の様にOIの治療薬としての成果が発表され、引き続き今後も研究を進めていくということでした。限られた時間内での発表だったため、内容をもっと知りたいという参加者が多かったが、今秋発行の「ニューイングランド メディカル ジャーナル」に掲載される論文によって補足されることを期待するとともにDr.GlorieuxのチームもネットワークOIに対して今後の支援を約束してくれました。

 この講演は患者の年齢層が5歳から17歳への治療として発表されたが、質疑応答の中でイギリスから参加していた40代の男性OI者が発言し、彼はイギリスでビスフォスフォネートの治療を既に受けていて、顕著な変化として、それまでコーヒーカップを持つだけで手指の骨折を繰り返していた(カップからストローで飲んでいた)が、今はカップを持って飲むことができ骨折も無く、長年苦しんでいた背中の痛みも現在は消滅している。彼の意見として大人のOIも治療対象であることを自身が証明しているので、是非、治療を受けることを主治医と検討する様に薦めていました。

 また、コンフェレンス開催中に知り合ったカリフォルニア州に住んでいる5歳のOIの女の子を持つ父親から、9月にモントリオールのシュライナーズ子ども病院で治療を開始するという連絡が入り、今後その治療の経緯を随時報告してくれるとの話もありました。